緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。
実母の立花里美が容疑者に浮かぶや、全国の好奇の視線が、人気ない市営住宅に注がれた。
そんな中、現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺は、里美の隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介に、
集団レイプの加害者の過去があることをつかみ、事件は新たな闇へと開かれた。
呪わしい過去が結んだ男女の罪と償いを通して、極限の愛を問う渾身の傑作長編。
以前、映画を先に鑑賞していたが、映画はいまひとつ脚本に納得がいかなく
原作本を読んでみた。
これなら納得。
このあり得ない奇妙な夫婦。しかし原作ではどうしてこのような極限の愛になったのかが
はっきりと理解出来た。
映画を先に観ていると映像の先入観が抜け切れなかったりすることが多々あるが、
この小説を読んでいても演者たちは出てこなかった。
わたしの中で別のふたりが現れ、そして哀しくて切ない想いが伝わった。
こうなると、映画の脚本が残念。
役者はピッタリだったのに。。。
個人的な意見だがわたしが残しておいてほしい台詞がカットされ、追加された場面が多い。
これも感性によっては映画のほうが良いって人もいるのだろうが、
わたし的には小説のが断然面白かった。というよりふたりの想いが伝わったな。